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実験室の風景

実験を行う上でのテクニックや我が研究室の流儀などを公開し、それが訪れた方の参考になれば幸いです

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2025/02/03 (Mon)

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TLCの展開溶媒

2011/06/19 (Sun)

TLCとは薄層クロマトグラフィのことです

小学生でもコーヒーろ紙に油性マジックでスポットして水で展開ってのをやるかもしれません

有機合成では原料と何か違うものが出来ているかという反応中のモニタリングはもちろん

NMRで構造決定した化合物のRfを決定してNMRを一回で済ますのに重宝します

一年で一体何枚のTLCを上げているのやら

今回は極性の強い官能基を持った化合物のTLCを綺麗に上げるための工夫です



カルボキシル基がその代表例だと思います

塩基の量にもよりますが、反応に塩基を用いると大体塩になって有機溶媒だとテーリングして見づらいこと請け合いです

そんなときは酢酸を少し加えるとテーリングを抑えることができます

とはいえシリカゲルTLCの場合はヒドロキシル基のおかげでテーリングしてしまいます

アミノ酸を用いる場合は、ブタノール:酢酸:水=4:1:2という展開溶媒を使用するととても綺麗に展開することができますが・・・

凄く時間がかかります

イライラします

4cm上げるのに30分は必要でしょうし、乾かないし臭いです

ということで完全に分離させたいとき以外はクロロホルム:メタノール:酢酸=95:5:3or85:15:5という系が比較的綺麗に早く仕上げられます


逆にアミンのような塩基性の官能基がどこぞに付いている場合は、トリエチルアミンやピリジンを使うといいです


いずれにしても極性のある置換基をフリーの状態にするというのが綺麗に上げるポイントです

しかしながら、いくらこれらの系で綺麗に分離できてもエバポで除くのが大変なのでカラム溶媒には不向きです



ところで、新しい反応を仕掛けるときにいつも思うのですが

せめて市販品原料のTLCくらい化成品会社はどこぞで公開してくれないものでしょうか

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